蛍火のような恋だった



看護師さんが酸素マスクを外して、カニューレに変えてくれた。

「これでよし。じゃあ蛍ちゃん、お邪魔しちゃったわね」

「いえ。ありがとうございます」

カニューレは顔に当たる面積も少ないし、マスクに比べたらものすごく楽だった。

それに、スク越しじゃできなかった笑顔を、やっと凪くんに向けられる気がした

「これで凪くんとも、たくさん話せるね」

「それもそうだけど…」

凪くんが椅子から身を乗り出して、軽くキスを落とす。

「こうやって、蛍に触れられる」

凪くんが、優しく微笑む。

「あ、そうだ」

私はあることを思いついて、消灯台の引き出しから、スケッチブックを取り出した。