蛍火のような恋だった



あまり周りの刺激がない方がいいから、と個室での入院になったけど、個室は個室でなんだか落ち着かない。

と、ドアをノックする音がした。

「どうぞ」

看護師さんはさっき出て行ったばかりだし、両親はノックなんてしない。

誰だろうと思っていた私は、ドアを開けた人物に驚いた。

「……凪くん」

2日ぶりにみる、凪くんの姿だった。

「蛍…」

凪くんが、静かに近づいてくる。

そして、ぎゅっと私の体を抱きしめた。

その温もりに、視界が揺れる。

「もう、会えないと思ってた」

私が隠していたことを、きっと凪くんはもう知っている。

それを知った凪くんに、拒絶されるんじゃないかって、ずっと怖かった。

「…勝手に、決めつけんな。もう、全部知ってるから。蛍が隠してたこと、全部」