蛍火のような恋だった


少し休んでから、いつも肌に塗っている保湿剤を、自分の部屋に取りに行った。

そのついでに、クローゼットを全開にあけて、少し前からかかっていた真新しい夏の制服を取り出す。

いつもは自分の体に重ねて鏡で見ていただけで、ちゃんと袖を通してみるのは今日が初めてだった。

「あーあ…私、全然似合ってない」

鏡に映る制服姿の自分は、自分でも笑っちゃうくらい、似合っていなかった。

これ、明後日から着るんだ…

「友達、出来るかな…もし、あのふたりに会えたら、友達になってくれるかな」

さっきのふたりを思い出す。

……私、今更何を不安に思ってるんだろう。

これも、自分のわがままで決めたことなのに…