蛍火のような恋だった



「っ…は、あ…っ」

突然、ナイフで胸を何度も刺されるような鋭い痛みが襲ってくる。

薬を取り出す暇もなかった。

必死に声を押し殺すけれど、喉からかすれた音が漏れる。

体を支える力もなくなって、ベンチからずるりと崩れ落ちた。

「ちょっと、あなた大丈夫!?誰か!」

目の前が暗くなっていく。

「誰か、救急車呼んで!」

楽しいテーマパークには似合わない、叫び声ばかりが周囲であがっているのだけが、聞こえて来る。

「蛍!」

薄れゆく意識の中で、凪くんの声が聞こえた気がする。



その声を最後に、私の意識は完全に途切れた。