蛍火のような恋だった


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観覧車を降りた後、私たちはベンチに腰を下ろした。

胸のあたりが、ざわめく。

「疲れた?」

すぐ隣で、そう聞いてくれた凪くんの声に私は気づかなかった。

「蛍」

「…あ、ごめん。何?」

凪くんは少し心配するように私の顔を見ている。

「本当に、大丈夫か?」

「あ、うん!全然大丈夫」

「喉乾いただろ?飲み物買ってくるから、蛍はここにいて」

「わかった」

私の分まで買いに行ってくれた凪くんを見送って、私は小さく深呼吸をする。

感じていたざわめきが、どんどん大きくなる。

全身の体温が、ありえないくらい早く奪われていくのを感じた。

息も上手く吸えなくて…