✳︎
観覧車を降りた後、私たちはベンチに腰を下ろした。
胸のあたりが、ざわめく。
「疲れた?」
すぐ隣で、そう聞いてくれた凪くんの声に私は気づかなかった。
「蛍」
「…あ、ごめん。何?」
凪くんは少し心配するように私の顔を見ている。
「本当に、大丈夫か?」
「あ、うん!全然大丈夫」
「喉乾いただろ?飲み物買ってくるから、蛍はここにいて」
「わかった」
私の分まで買いに行ってくれた凪くんを見送って、私は小さく深呼吸をする。
感じていたざわめきが、どんどん大きくなる。
全身の体温が、ありえないくらい早く奪われていくのを感じた。
息も上手く吸えなくて…

