休日、私と凪くんは電車を乗り継いで海に出かけた。
電車に揺られている時間が長くて、私はいつのまにか眠っていたらしい。
「ーー蛍」
凪くんの心地よい声に、私は目を覚ました。
ぼんやりとした視界に、凪くんの顔が映る。
「窓の外、見て」
凪くんに促されて、私はゆっくりと視線を動かした。
途端に、眠気なんてどこかに飛んでいく。
目の前に広がる景色を、私は窓に手をついて食い入るように見つめた。
一面に広がる、鮮やかな青色の世界。
水面の上を白いうさぎが跳ねているように、陽の光が反射して見える。
「綺麗…」
ぽつりと、言葉が自然に溢れでる。
「想像した通りだった?」
凪くんに尋ねられて、振り返る。
「ううん…想像した以上に綺麗」
「降りたらもっと近くに行こう」
胸を高鳴らせながら、私は頷いた。

