「蛍」 隣で私の様子を見ていた凪くんに名前を呼ばれて、私は「何?」と凪くんの方を向く。 「海、一緒に行こう。きっと、蛍も好きになる」 その言葉に胸が温かくなり、私は思わず笑みをこぼした。 凪くんの視線が私をとらえる。 まっすぐで、少し熱を帯びていて。 「……蛍」 もう一度呼ばれたかと思ったら、凪くんの顔がすっと近づいてきた。 心臓が跳ねる音が自分でもはっきり聞こえる。 息を呑む間もなく、凪くんの唇がそっと触れた。