マルコポーロは果物と花の香りが特徴的なフレーバーティー。
決して値段も安くはないため柚葉も過去に一度飲んだことがあるだけだが、その味を記憶してしまうほど芳醇な紅茶だ。
「紅茶に、お詳しいの?」
「いえ、ただ好きなだけです」
「そう、私もコーヒーより紅茶の方を好んでいただくわ。涼はコーヒーの方が好きみたいだけれど」
「ええ」
確かに涼はコーヒーを好む。
付き合っていたころからそうだった。
それまであまりコーヒーを好まなかった柚葉も、涼の影響でコーヒーを飲むようになった。
「莉奈ちゃん、涼によく似ているわね」
「え?」
話が紅茶の方に行き油断していた柚葉は、驚いて顔を上げた。
「莉奈ちゃんは涼の」
「莉奈は、私の子です」
何を言われるのかが想像できて、柚葉は言葉を遮ってしまった。
「柚葉さんっ」
柚葉の非礼を非難しようとする玲奈の声が部屋中に響き、大きな声に怯えた莉奈が柚葉に抱きつく。
「玲奈ちゃんやめなさい。莉奈ちゃんが怖がっているわ」
「・・・すみません」
涼の母に注意されて、今度は玲奈が肩を落とした。
決して値段も安くはないため柚葉も過去に一度飲んだことがあるだけだが、その味を記憶してしまうほど芳醇な紅茶だ。
「紅茶に、お詳しいの?」
「いえ、ただ好きなだけです」
「そう、私もコーヒーより紅茶の方を好んでいただくわ。涼はコーヒーの方が好きみたいだけれど」
「ええ」
確かに涼はコーヒーを好む。
付き合っていたころからそうだった。
それまであまりコーヒーを好まなかった柚葉も、涼の影響でコーヒーを飲むようになった。
「莉奈ちゃん、涼によく似ているわね」
「え?」
話が紅茶の方に行き油断していた柚葉は、驚いて顔を上げた。
「莉奈ちゃんは涼の」
「莉奈は、私の子です」
何を言われるのかが想像できて、柚葉は言葉を遮ってしまった。
「柚葉さんっ」
柚葉の非礼を非難しようとする玲奈の声が部屋中に響き、大きな声に怯えた莉奈が柚葉に抱きつく。
「玲奈ちゃんやめなさい。莉奈ちゃんが怖がっているわ」
「・・・すみません」
涼の母に注意されて、今度は玲奈が肩を落とした。



