君ともう一度、 恋を始めるために

祖母が帰るとすぐに病室の準備が整い、莉奈は入院することになった。

「よく眠っているね」
「ええ」

柚葉に会い安心したのか、病室に入るとすぐに莉奈は眠ってしまい、そのタイミングでCT検査も受けることができた。

「涼、ありがとう」

元々まだ３歳の莉奈がCTを受けるためには薬による鎮静が必要かもしれないとのことで、検査を見合わせていた。
だが、ちょうどお昼寝をしてくれたことと涼が検査はした方がいいと助言してくれたことでCTを撮ることができた。
幸い結果も異常なしで、柚葉は胸をなでおろした。

「ところで、この子は柚葉の子供なのか？」
「それは・・・」

莉奈のことに気を取られていた柚葉に、不意打ちのようにかけられた言葉。
いつかは話さなければと思ってはいても、心の準備ができていない柚葉には即答できなかった。