「何で柚葉ちゃんなんだ。お前には玲奈がいるじゃないか」
なぜか床に倒れ込んだ恭介が、涼を睨みつける。
「恭介」
悔しそうに絞り出す涼の声。
しかし恭介はさらに大きな声を上げた。
「お前は柚葉ちゃんの何を知っているんだ。柚葉ちゃんは」
「お願いやめて」
このままでは莉奈のことを話される気がして、柚葉は恭介を止めた。
莉奈が生まれてからの3年間、恭介は常に柚葉のそばにいた。
当然莉奈の事だって知っている。
だからこそ、今ここで莉奈のことを話させるわけにはいかない。
「もういい、やめろ」
場違いなくらい落ち着いた涼の声に、柚葉と恭介の動きも止まった。
「4年前、柚葉を手放したのは俺の責任だ。たとえどんな妨害があったにせよ、柚葉の心をつなぎとめておけなかったのは事実だ。けれど恭介、俺が柚葉を探していた事はお前が1番よく知っていたはずだよな」
「それは、お前が日本にいなかったから」
「そうだな、俺が悪い。だから、お前に文句を言う資格はない。けれどもう終わりだ。俺は日本に帰って来たし、この先どんなことがあっても、柚葉を手放さない。誰にも邪魔はさせない」
まるで自分自身に宣言するように、涼ははっきりと言い切った。
なぜか床に倒れ込んだ恭介が、涼を睨みつける。
「恭介」
悔しそうに絞り出す涼の声。
しかし恭介はさらに大きな声を上げた。
「お前は柚葉ちゃんの何を知っているんだ。柚葉ちゃんは」
「お願いやめて」
このままでは莉奈のことを話される気がして、柚葉は恭介を止めた。
莉奈が生まれてからの3年間、恭介は常に柚葉のそばにいた。
当然莉奈の事だって知っている。
だからこそ、今ここで莉奈のことを話させるわけにはいかない。
「もういい、やめろ」
場違いなくらい落ち着いた涼の声に、柚葉と恭介の動きも止まった。
「4年前、柚葉を手放したのは俺の責任だ。たとえどんな妨害があったにせよ、柚葉の心をつなぎとめておけなかったのは事実だ。けれど恭介、俺が柚葉を探していた事はお前が1番よく知っていたはずだよな」
「それは、お前が日本にいなかったから」
「そうだな、俺が悪い。だから、お前に文句を言う資格はない。けれどもう終わりだ。俺は日本に帰って来たし、この先どんなことがあっても、柚葉を手放さない。誰にも邪魔はさせない」
まるで自分自身に宣言するように、涼ははっきりと言い切った。



