君ともう一度、 恋を始めるために

「優香さんはしっかり者だから、恭介にはもったいないくらいだよ」
「確かに、ああ見えて料理上手だし、子供も好きだからいいお母さんになると思うわ」

ひょっとして自分よりも家庭的かもしれないと柚葉も思っている。

「それに恭介が身を固めれば、柚葉に言い寄ってくる心配もなくなるからな」

―――え?
涼の一言で、柚葉の動きが完全に止まった。

過去に一度だけ、恭介に告白のようなものをされた。
酒を飲んで酩酊し、ホテルに連れ込まれそうになったのも事実だ。
しかし、それは涼に対するライバル心のようなもので、その相手がたまたま柚葉だっただけだと思っている。

「大丈夫、もう二度と恭介に変な気は起こさせないから」

黙り込んだ柚葉に、涼が優しく笑いかける。
いつも、何が起きても、常にポーカーフェイスで淡々としている涼も心のどこかでわだかまりを感じていたらしい。
そのことに柚葉は驚いた。