君ともう一度、 恋を始めるために

「ママー、こっちだよ。早く早く」

少し前を歩く莉奈が振り返り柚葉と涼を呼ぶ。

「はいはい」

柚葉も少し歩みを速めた。
ちょうどその時、柚葉の横を風が通り抜けた。

―――ウワー。

冷たい風に体を押されよろめきそうになって、次の瞬間に強い力で引き戻された。

「危ないなあ、大丈夫か?」

見れば涼が柚葉を右手で支え、反対の左手で莉奈を抱き上げていた。

「うん、大丈夫よ」
「パパありがとう」

これからもこうして、涼と莉奈と共に生きていくのだ。
新春の陽光に照らされた緑豊かな境内で、柚葉は新しい人生の始まりを感じていた。