君ともう一度、 恋を始めるために

「俺はもう二度と柚葉を失いたくはないんだ。そのためなら何でもする」

真っすぐに柚葉を見つめながら涼は断言する。

「それは私も同じよ」
「じゃあ」
「だから、私が東京へ行くの。もちろんおばあちゃんが元気になって旅館再建の目途が立ってからになるけれど、必ず涼の元に行くわ。誰に何を言われても、私はもう諦めないと決めたの」

自分の思いを通すことは涼に迷惑をかけることになるのかもしれないと思い、柚葉は遠慮していた。
正直、自分が我慢すればいいと思っていた。
だからこそ、涼に何も告げることなく姿を消した過去がある。
しかし、何年たっても涼への思いが消えることはなかった。

「柚葉、これからもずっと一緒にいような」

ここが病室なのも忘れて、涼が柚葉を抱きしめた。

「ええ、もうどこにも行かないわ」

柚葉も涼の背中に手を回し、ギュッと力を込めた。