君ともう一度、 恋を始めるために

「ママ」
「柚葉」

駈け寄ったものの感極まって言葉が続かない涼と莉奈は、柚葉の手を握った。

「心配かけて、ごめんなさい」

柚葉も涙を浮かべながら、二人を見つめている。

それからは本当に慌ただしかった。
医師が駆けつけ診察や検査をし、あっという間に一日が終わった。
幸いなことに、柚葉は後遺症もなく意識を取り戻した。
検査の結果、心労と過労が重なって心臓に負担がかかったのだろうとのことだった。
大きな異常は見つからなかったが、突然亡くなった母のこともあり今後は定期的に検査を受けることになるだろう。

「とにかく、柚葉が目覚めてくれてよかった」

夕方検査から戻ってきた柚葉に、涼の心底ほっとした顔。

「ママ、莉奈はパパといい子にしてたよ」
「そう」
少し驚いた顔をして二人を見る柚葉。

「涼、ありがとう」
「俺の方こそ、素敵な娘をありがとう」

この時涼は、この先どんなことがあっても二人を手放さないと決意していた。