君ともう一度、 恋を始めるために

「ごめんなさい」
涙を浮かべる莉奈。

幸いコーヒーが莉奈にかかることはなかったが、床にはコーヒーと割れたガラスが散乱してしまった。
悪気があってしたことでもないから叱るわけにもいかないが、まずは莉奈の無事を確認しなくてはいけない。
そう思って、涼はそっと莉奈の手をとった。

「莉奈、ケガはない?」
「うん、大丈夫」

どうやらケガはないようだが、こぼれたコーヒーと割れて飛び散ったガラスをこのままにするわけにはいかない。
とりあえず掃除を頼まなければと莉奈を抱き上げたその時、かすかな声が聞こえた。

「りょ・・・う」

―――え?

莉奈と涼しかいないはずの病室から聞こえる声、それは・・・
涼はとっさに柚葉の眠るベッドを振り返った。

「柚葉?」

そこには10日以上も眠り続けた柚葉が目を開けていた。