君ともう一度、 恋を始めるために

「ゆうくんが、莉奈のママはもういなくなったって・・・」

ゆうくんとは莉奈が仲良くしている保育園のお友達。
涼も保育園の送迎に付き添った時に会ったことはあるが、元気いっぱいの男の子だ。
間違っても意地悪をしたり、相手を傷つけたりするような子ではない。

「莉奈のママは、ちゃんとここにいるだろ?」

涼はできるだけ優しく声をかけた。
突然母親が倒れてしまい、不安になる気持ちはよくわかる。
きっとお友達の何気ない一言で、今まで我慢してきた気持ちが溢れ出してしまったんだろう。

「本当に、本当にママは起きる?」
「ああ、絶対に目が覚めるよ」

何度も何度も涼は大丈夫だよと繰り返した。
そうすることで、少しでも莉奈の不安を取り去ってやりたかった。
すると突然、莉奈が泣き出した。