君ともう一度、 恋を始めるために

「あ、お兄ちゃん」

涼の突然の登場に、莉奈が喜びのあまり飛び上がった。

「どうしたの、明日来るって言っていたでしょ?」

祖母も驚いて尋ねた。

「頑張って仕事を早く片付けたんです」

飛びついて行った莉奈を抱き上げながら、涼が笑って見せる。

「無理したんじゃないの?」

少し前に過労で倒れたと聞いたのを思い出し、祖母はつい暗い表情になった。

「大丈夫ですよ。急ぎの仕事だけ済ませて、あとはこっちで仕事をするつもりです。その準備もしてきましたから」

大きなスーツケースを持った涼が優しく笑う。

「本当に・・・ありがとう」

感謝の言葉を口にして涙ぐむ祖母とうれしそうにはしゃぐ莉奈に、温かな眼差しを向ける涼。
柚葉が倒れたことをきっかけに、三人の間に絆のようなものが生まれていた。