君ともう一度、 恋を始めるために

柚葉が倒れた日、病院で付き添う祖母の前に突然涼が現れた。
時刻は日付が変わった頃で、そもそも東京に住んでいる涼が飛行機も新幹線も終わった時間にどうやって来たのかと不思議に思いながらも、駆け付けてくれたことがうれしかった。
その後、涼はまる一日片時も離れることなく柚葉の側にいた。
本心では柚葉が目覚めるまで一緒にいたかったのだろうが、忙しい仕事を抱えている以上東京に戻らないわけにもいかず、仕事を調整してまた戻って来るからと言い残し東京へ帰っていった。

「ママ、明日お兄ちゃんが来るよ。だから、起きて」

眠り続ける柚葉に莉奈が声をかけるが、柚葉が目を開けることはない。

「きっともうすぐ目を覚ますと思うから、みんなで待っていましょうね」
「はーい」