「ママ、海だよ」
今まで写真や動画でしか海を見たことのない莉奈は、車窓から見えてきた海岸線に目を輝かせる。
「おばあちゃんの家の近くには砂浜があるから、夏になったら一緒に行きましょうね」
「はーい」
実家のある下関も海には近く、いつも身近に海を感じていた。
高校生の頃には何かあれば海岸まで行き、時間を見つけては海の見える公園で本を読んだ。
そういう意味で、莉奈が自然を身近に感じて育つのは嬉しいことだ。
とは言え、大学を卒業して以来、柚葉は実家に帰っていない。
母が急死して父1人になってしまった生活に心配はあったが、シングルマザーとしての妊娠と出産を反対されていたこともあり、なかなか足が向かなかった。
ただそんな父も孫はかわいいらしく、仕事で京都に来るたびに顔を見せてくれるし、莉奈も父になついている。
「今夜はおじいちゃんの家でお泊まりしましょうね」
「ヤッター」
楽しそうにはしゃぐ莉奈を見ながら、柚葉はよくここまで大きくなったなと、改めて成長を痛感した。
今まで写真や動画でしか海を見たことのない莉奈は、車窓から見えてきた海岸線に目を輝かせる。
「おばあちゃんの家の近くには砂浜があるから、夏になったら一緒に行きましょうね」
「はーい」
実家のある下関も海には近く、いつも身近に海を感じていた。
高校生の頃には何かあれば海岸まで行き、時間を見つけては海の見える公園で本を読んだ。
そういう意味で、莉奈が自然を身近に感じて育つのは嬉しいことだ。
とは言え、大学を卒業して以来、柚葉は実家に帰っていない。
母が急死して父1人になってしまった生活に心配はあったが、シングルマザーとしての妊娠と出産を反対されていたこともあり、なかなか足が向かなかった。
ただそんな父も孫はかわいいらしく、仕事で京都に来るたびに顔を見せてくれるし、莉奈も父になついている。
「今夜はおじいちゃんの家でお泊まりしましょうね」
「ヤッター」
楽しそうにはしゃぐ莉奈を見ながら、柚葉はよくここまで大きくなったなと、改めて成長を痛感した。



