君ともう一度、 恋を始めるために

「莉奈は、あなたの、娘です」

言葉にしてしまえば短い一言を、柚葉は声の震えを押さえながら口にした。
言い終えた後フーッつと息を吐き、涼から視線を外した。
きっと喜んでくれるとは思いながらも、一瞬でも表情が曇ったらと思うと怖くて涼の顔が見られなかった。
しかし、聞こえてきたのは嬉しそうな笑い声。

「そうか、そうだったのか」
「え?涼?」

よく見れば莉奈の面立ちや雰囲気はどことなく涼に似ている。
そういう意味では、涼自身もうすうす気が付いていたのだろうとは思う。
しかし突然娘がいると言われれば、まずは驚くものだ。

「喜んでくれるの?」
「当たり前じゃないか」

ニコニコと笑う涼の顔に、嘘はみられない。
本心から喜んでくれている様子に、柚葉は心からホッとした。