君ともう一度、 恋を始めるために

入院中の病院からいきなり身代わりになってほしいと頼んだ時にはさすがに恭介も驚いていたが、どうしても柚葉に会いに行きたいんだと伝えると納得してくれた。

ーーーなんだかんだ言って、わがままが言えるのもあいつにだけだな。

東京に向かう飛行機の中で、涼は窓の外を見ていた。
遠くの方に広がる茜色も夕景を見ながら、日々仕事に追われていたヨーロッパの空を思い出した。
柚葉と離れて過ごした4年は寂しいものだったが、仕事に没頭した時間はビジネスマンとしてもひとりの人間として涼を成長させてくれた。
そのことに後悔はない。
しかし、その間に柚葉がどういう暮らしをしていたのかがわからずただそのことが不安だった。