君ともう一度、 恋を始めるために

涼が背中に回していた腕を少し緩め柚葉との距離をとると、柚葉はゆっくりと涼を見上げた。
ダークグレーの瞳とスッと通った鼻筋、男性にしては長いまつげがあの頃のままで、柚葉はなんだかうれしくなった。

「変わらないな」
「涼だって」

4年という時間は決して短くはない。
その間に柚葉は母となり、涼は日本を代表する神崎ホテルグループの社長になった。
当然その責任は計り知れないほど重いのだろう。

「柚葉に会いたくて仕事を前倒ししたんだぞ」
「え?」

あまりにも意外な言葉に、柚葉は反応ができない。

「普通にスケジュールをこなしていたんでは柚葉に会う時間を作ることができないと考えて、睡眠時間を犠牲にした」
「そんな・・・」

涼の話が衝撃過ぎて、柚葉は口を開けたまま固まっていた。