「毬、帰ろう」
龍、といわれる方の声が耳に優しく響きました。
「どうして?
お姫様探し、止めちゃうの?」
「いいの。
それはこれから雅之が一人でやるって、ね?」
雅之……。
この方のお名前は雅之って言うのですね。
「えー、そんなのずるーいっ」
子供じみた声が河原に響きます。
ひょいと、龍がその子を抱き上げました。
「龍星、ありがとう」
雅之が呟きます。
「いや」
龍星の声が、風に浚われて消えていきました。
龍、といわれる方の声が耳に優しく響きました。
「どうして?
お姫様探し、止めちゃうの?」
「いいの。
それはこれから雅之が一人でやるって、ね?」
雅之……。
この方のお名前は雅之って言うのですね。
「えー、そんなのずるーいっ」
子供じみた声が河原に響きます。
ひょいと、龍がその子を抱き上げました。
「龍星、ありがとう」
雅之が呟きます。
「いや」
龍星の声が、風に浚われて消えていきました。


