「………………。」





突然そう問われた私は、心当たりを探ってもすぐには見当がつかない。





「鈍いな〜。今日見たばっかりなのに。忘れちゃった?それともマジで興味無し?」





胡兎は着ていたブルゾンのポケットから携帯を取り出そうとする。





「………あっ!」





昼間、事務所のレッスンルームでまったく同じ動作をした胡兎を思い出して、私はやっと胡兎の言っている事にピンと来た。






だけど、あの見せられた画像のセンターにいた人物にしか目が行かず、自分と噂になっている彼も含めて、他は全然覚えてなかった、…とは言えなかった。