「わあッッ!!」
と静まり返った寮の部屋全体に響くんじゃないかってくらいの声の大きさで叫んだ。
男の下で仰向けになっていた雫もすぐにこの異変に気づき、目を開けて即起き上がろうとするも、すぐ側にある積み上げられた一番下の段ボールの角に自分の腕を思いっきりぶつけ、それによってバランスは崩れ、上から小さな段ボール達が雪崩の如く二人の上に落ちていった。
「あ〜あ。やっちゃったね。」
いつの間にか私を追ってこの部屋まで来ていた胡兎の呆れ声が背後から聞こえてきた。
私は目の前の惨状に渋々歩み寄り、段ボールに埋もれる二人に手を貸すのだった。
起き上がってきた男の顔をまじまじと見た胡兎は言う。
「あれ〜?なんか見たことある顔だ。ねえ朱理?」
