そんなこんなとお喋りをしながらあっという間に雫の居る部屋のドアの前に着いた。



と、同時に、なんとドアがほんの少しだけ開いていることに気づく。





「ちょっとコレは無用心かな。」




「あれま。いつもキチンとしてるあの子らしくないかもね〜。ウチらが居なくなって適当になったってやつ?」




寮全体の門は鍵が掛けられているとはいえ、自室のドアが外から見て明らかに開いてしまっているのはちょっとマズいんじゃないかな、と思う。




「しょうがないよね?」




私は同意を得る為、隣の胡兎をチラ見すると、胡兎は呆れた様な目でドアの隙間を見つめながら首を縦に振った。




ドアノブを捻り中に入ると、ドアの隙間から光が漏れていなかった事から予想された通り、部屋の玄関は真っ暗だった。




「お一一い、雫…。」




名前を呼んでみる。