私と同じ様に思ったのか、胡兎がまた独り言みたいに呟き出した。
「朱理…私もさ、やっぱ時々は雫に会いにここに来てあげた方が良かったのかな?」
「うん?」
「でも、私と寧音が寮から出てく時さ、あの子言ったんだよね。『ここで独りでも強くなりたい。同情されると余計に惨めになるから、退出が決まるまでは、ここに来ないで欲しい。』って…。」
少しずつ胡兎の語気が強くなる。
「えっ?そんなこと言ってたんだ…けど、私にはそれ言ってないよ。なんでだろう?」
かなりの驚きだった。
「それはさ、なんだかんだ言って拒否されてもどうしても心配で来ちゃうんでしょ?朱理は。同情とかじゃなく、そういう性分っていうか。」
胡兎はそう言って眉をハの字して笑うと、私の方を見て更にハッキリとした口調で、
「あの子、みんなが思ってるよりもプライドが高いね。」
と断言した。
