カラスの羽根を沢山あしらった真っ黒いウエディングドレスに身を包んだ真鵺は、たった一つのその写真の看板だけで、一気に注目を浴びる事となり、その後、ファッション業界からモデル仕事のオファーが絶えない。



そしてそれ以来、“鴉姫”とファンの間で呼ばれるようになった。







「鴉姫“様”って感じわるっ。」




私はおどけてみせつつ胡兎を突付く。




真鵺の事を“様”づけで呼んだり、どうでもいい、とか言ってみたり、それは多分、然程悪意があるわけじゃないって分かるけど、結局のところ、胡兎は真鵺をライバル視している。




グループで一番ダンスが上手いのは確かに胡兎。




けど、目を引くのは真鵺。




厳しい現実だけどしょうがない。





ダンス経験を買われてグループへの加入を果たした胡兎。