リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





今タクシーが走っているのは、私が若葉テレビの社屋から眺めていたあの景色の中。




あんなに煌めいて見えた夜景は、その中に飛び込んでみれば、すぐ近くに見えるこの距離からでは、使い捨てのガラクタみたいなものばかりで出来ていると、皮肉なことに哀しいほど解ってしまう。




でも……。




私は走るタクシーから見るこの景色だって好きだ。





───来年は、何があるんだろう…?











タクシーの中では、ラジオから天気の話題が流れていて、何やら運転手さんが私に話し掛けてくる。






「今日はまた一段と冷え込みが厳しくなるようですね、お客さん…あ、とうとう降ってきたみたいですよ?」





私は問いかけには応えなかった。





いろんな思いを巡らせるうちに夢現(うつつ)になり、いつの間にか、眠りに落ちてしまっていた。










この日、東京は今シーズンで最低気温、最低気圧を記録し、天気予報では予測されなかった初雪に見舞われ、降った雪は積もったとは言えないまでも、街を白く染め上げた─────。