リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




深夜の都内を走るタクシーの窓から眠らない街の様子を眺めると、様々な人や社会の片鱗を垣間見ることが出来る。





それは背広の胸にバッヂを付けた何処かお偉いさんの上司が顔を真っ赤にして酔っ払い、“もう一件!”てゴネるのを部下の若手社員らしき人がなだめていたり。





あるいはつい数日前まで大々的に飾られていたクリスマス用の商業ビルの看板が青いビニールシートに覆い被され、もう不要なんだと言わんばかりのゴミとして運ばれていたり。





私が芸能界に入ったばかりの頃、どこかで出会った大人が言っていたこと。




“今の世の中、使い捨てのものばかりが溢れている。残酷な話だけれど、君達も、周りの大人達も、もちろん自分だって使い捨ての内の一人だ。それでも君達がこの業界で何かを成し得たいと望むなら、その一歩はとにかくまず、自分に与えられた仕事を好きになる事だ。”




今となってはもう、誰の言葉だったかすら憶えていない。