リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





テレビ局の前にはこの時間帯でも、いつも何台かの車が駐車されているけど、なぜか今日は一台も車が留まっておらず、少しだけ侘しい気持ちになる。




そして何よりも、周囲に人が一人も居ないことに気づく。




珍しい。




ここがこんなに静かなのは、初めてかもしれない。






静けさの中、こんな雰囲気こそが年末に相応しいんじゃないかと、妙な満足感を覚える私。




だけどすぐに、それを断ち切るかのように局の正門からヘッドライトの光がパーッと差し込んだかと思うと、タイヤがコンクリートを擦り付ける音とともに、あっという間に私の前に一台のタクシーが到着した。




ドアが開き、私は後部座席に乗り込む。




その時、携帯のメッセージ音が鳴り、コートのポケットからスマホを取り出そうとする、…けど寒さのせいで冷たくなった手で上手く掴めず、落としそうになってしまう。





「あっ。」





思わず声を上げてしまった。





「大丈夫ですか?」





運転手さんはこちらを振り向き、心配してくれる。