「今日はね、私にとって凄い有意義な体験だったの。ドラマの撮影現場をあんな間近で見学するの、初めてで…。」
「そうね。朱理にとっては初めてだったものね。」
車を運転する柊子さんはフロントガラスに照りつける日射しが眩しそうで、眉間にしわを寄せている。
「うん。バラエティの仕事も、ドラマの仕事も、現場のスタッフと演者が一丸となって取り組むっていうのは変わらないんだなって。」
私はダッシュボードの収納ケースを手で探りながら話を続ける。
「…あ、なんだ。やっぱりあるじゃん!」
私はいろんな物の中に埋もれていた水色のメガネケースを見つけてそれを開ける。
それから中に入っていた太縁のサングラスを取り出し、柊子さんに渡した。
「ありがとう。朱理。」
