考えてみれば、日中のこんな時間帯にここへやって来ることなんて一度も無かった。
番組でしくじった時、頑張っても空回りだった時、私はいつだってここから見る景色に助けられてきた。
なのに今日は、ここでの景色の初めての姿に驚かされている。
この場所はいつだって変わらないって思っていたのに…。
でもこれは、私にとって初めての、失恋っていう悲しみを癒やす為の新しい景色なのかもしれない。
私はこれからどうしたい…?
心を落ち着けて、もう一度考えてみる。
「…………………………。」
私にとっての本当に大事なものなんて、もうとっくに決まっている。
今日は嫉妬したり、私の知らない表情(かお)をした、とか不安に思ったり、邪な感情が何度も自分の中から沸き上がってきてどうしようもなかった。
響香に対して。
もう、こんな気持ちは要らない。
これからだってずっと私達は親友なんだから───。
