気がつけばいつの間にか、私が仕事でいつも使うエレベーターがある場所まで戻って来ていた。
次のラジオ出演の予定の時間は刻々と迫ってきている。
さすがにもう、早めにここを出るべきだってわかってはいるけど、でも…。
私はエレベーターの上ボタンを押す───。
いつも通り、三階Aスタジオの楽屋近くのトイレのあの場所に、いつものように、私は佇む。
だけど、視界に入ってきたものは想定外で、思わず目をギュッと細める。
眩しい…!
例の大きなガラス窓は日中の強い日射しを受けて、節電中のトイレの中の蛍光灯よりもよっぽど明るい。
眼下に見下ろす夜景、…ではなく冬の日光を浴びて蠢く昼の街の姿がこんなにも眩(まばゆ)いなんて知らなかった。
ライトが消えたビル群は、太陽の自然な光のもと、雪のようにに白く輝く。
走行する車は、時折フロントガラスを鏡にして、照りつける日射しを跳ね返す。
