「急だったからこんなものしか用意できなくて…。」 私はいつもの事務所愛用、例ののど飴のパックを響香に手渡す。 「嬉しい!全然“こんなもの”なんかじゃないし。こののど飴、私の喉に凄く良く効くの。」 のど飴を受け取った響香は椅子から立ち上がり、すぐ側まで近づいてきた栗原さんと目を合わせる。 「朱理ちゃん、差し入れありがとうね。さ、響香もこの後の撮影頑張ろうな?」 「…はい!」 響香はこの時はもう既に、女優の顔に戻っていた。