気がつけば時計はもう深夜二時を回っていて、二十四時間フル稼働体制のテレビ局でも、さすがにこの時間帯のエントランスは人影もまばらで。 今日は本当にもうクタクタだ…でもこれでやっと帰れる。 正面に見下ろす局のエントランスの自動ドアを目指し、私は万感の思いでエスカレーターの階段に足を掛けた。 その時──────── 「朱理さ〜〜〜〜〜ん!」 耳に聞き覚えのある“ザ・女の子”な声が私の名前を呼んだ。