「え…?」
響香は一瞬戸惑ったような声を出す。
今の私の発言は何かおかしいところがあった…?
私としては嫌みを言ったつもりなんてもちろん無ければ、そこに他意も無い。
思ってもみない響香の反応に、私の方も戸惑いを隠せない。
けれどもすぐに笑顔に戻ると、
「何言ってるの?照れ臭いからやめてよ〜!」
と言っておどけてみせるのだった。
「本番入りま〜〜す!!」
ADさんによる威勢のいい号令が響き渡る。
それを合図に周囲のスタッフ達も一斉に動く。
緊張感が走る。
いつも私の出演している番組のスタッフのメンバーとは当然、顔ぶれは全く異なる。
だけど、その場にいる全員が一丸となって撮影に臨(のぞ)む姿はバラエティでもドラマでも、同じなのだと思った。
私はそこに思わず、小さな感動を覚える。
