滅多に開けることはないこのクローゼットを開き、薄暗いその中を覗き込むと、防虫剤の匂いが鼻につく。
近年はもう着ることがなくなったコート類が掛かっているその下を、四つん這いになってあれこれ探してみる。
「……あった!」
白い半透明のプラスチック製収納ケースを引っ張り出す。
ケースの中に積まれた、今はもう廃刊になった懐かしい雑誌の束。
その一番上に積まれていたのは、私にとって初めての芸能界での仕事になった撮影のもの。
表紙に映っている何人もの女の子達に混じって、私はぎこちない笑顔を見せていてる。
隣には、今はもう人気女優として活躍する響香の笑顔。
二人共に、十三歳だった。
懐かしさのあまり、その一冊を手に取り、暫く表紙を眺めていた。
