「どうしたの?朱理、なんだか暗い顔してる。…やっぱり、私ひとりだけと話し合っても、意味無かった?」
「違う、そうじゃないよ。こんなにしっかり私の話、聞いてくれるのは雫だけだもん。」
私がそう言うと、雫は晴れやかな顔をして、嬉しそうに声を弾ませる。
「本当?…あ、ちょっと待ってて!」
何かを思い出したのか、一言そう言うと、突然スタジオの外へと走って出て行ってしまった。
ものの三分もしないうちに、すぐに雫は戻ってきた。
「そんな急がなくても、私はちゃんと待ってるよ。」
また走ってここに戻ってきた雫は息が上がっていて、私は思わず苦笑する。
雫は両腕を後ろに回していて、多分そこに何かを隠し持っているようで、私にはそれが何なのか、大体予想はついている。
