滅多に怒らない優しい先生も、今日ばかりはかなり困惑させてしまった様子で、特に寧音には厳しい言葉が下る。
私はわかっていた。
寧音は胡兎や雫に対してじゃなく、私に怒っているんだって事を。
どんなに不機嫌でも仕事だけはきっちりやり切る寧音。
…だったはずなのに───。
ジャケット撮影のあの日の、控え室での寧音とのやり取りを思い出す。
私にお菓子を差し出した寧音の手に触れた時に感じた罪悪感が再び私の中に甦ってきて、自己嫌悪に落ちる。
それでもなんとか撮影を遂行して、この日のグループ仕事も終了。
相変わらず真鵺は舞台の稽古の為に、即スタジオから事務所のスタッフに連れられ退場。
それに合わせて寧音は何も言わずに出ていく。
胡兎はいつものキッズダンスの仕事の収録が明日に控えてるのだと言って、そそくさと帰ってしまった。
