「……胡兎が心配?」
「そうよ。同じグループのメンバーが気にして心配してるんだから、連絡してあげて。」
噂が回るのって本当にあっという間なんだと変な感心しつつ、軽く絶望する私。
「わかった。連絡しておく。」
了解して、手速く自分の荷物を片付け、自宅に帰る準備をする。
私は呼んでおいてもらったタクシーで局から帰宅するけど、柊子さんはもう一度番組のディレクターさんに挨拶しにスタジオに戻るのだと言う。
本当に柊子さんは仕事熱心だと思う。
楽屋を出る前に、今年最後の挨拶。
「今年もお世話になりました。来年もよろしく。良いお年を。」
お互いにそう言って私は楽屋を後にした─────。
