更に、今、寧音が出てきた隣のボックス席に隠れていたもうひとりの影が現れ、寧音の横からひょっこりと顔を出す。
無表情の、いつもの真鵺の顔だった。
こうして、三人だけの間で留めておこう、と決めた秘密の約束は、たったの一ヶ月足らずで暴かれる事態となった。
例の透君の件以外はすべて正直に話し、なんとか理解を得られたものの、この日の仕事のあいだ中、寧音はもうずっと能面みたいな顔で、真鵺以外の誰も、言葉をかけることすら憚れる状態が続く。
ダンス動画を撮影する際に、指導と監督役を担っていたコレオグラファーの先生は、私達がギクシャクしている事を察すると一度カメラを止めさせて五人全員に集合をかけ、プチ説教会をする羽目になった。
