「それはそうだけど…。」
言葉に詰まる私に、腑に落ちない、といった様子の宮敷さんだった…けど軽く溜め息をつくと、気を取り直したように言った。
「ま〜いっか!オレも朱理の事は推してるからな」
「その言葉はアイドルとして単純に嬉しい!でも宮敷さんの口から“推し”って単語が出るとは思わなかった。」
「ん〜。オレもさ、朱理と仕事で一緒になるまでは、お笑い以外の芸能にはサッパリ興味なかったんだけど、この世界でやってく為にはそれじゃあダメだわって…。」
「そっか。」
私はこの時、なぜか自分がいつも見ている、帰りのタクシーの中から見る夜の街の景色が思い浮かんだ。
社会を形成している大人達の姿や使い捨てにされる物達。
あらためて思った。
それは私だって宮敷さんだって同じこと。
