“遊佐 朱理 様
メゾン・ド サブカルTV ご出演”
そう書かれた楽屋のドアを開けると、マネージャーの柊子(しゅうこ)さんが居て、私の好きなカフェラテとともに労いの言葉をくれる。
「お疲れ様、朱理。今年はあなたは本当に良く頑張った。」
「ありがとう。でも、満足にいかない事の方がすごく多かったのに…。」
「生放送のレギュラーなんて難しい仕事だし、初めてのことばかりなのに良くやってる。周囲の罵詈雑言なんかは気にしなくていいの。柴(しば)プロデューサーが…ううん、私が誰よりも朱理の事は認めてるから。」
柊子さん、こと畔上(あぜがみ)柊子さんはマネージャーであり、私にとっての一番の理解者。
私がこの業界に入ったきっかけでもあるし、中1の十三歳からもう7年の付き合いになる。
