「なんだよ“左目のチカラ”って…。」
私の左目は千里眼でも邪眼でも無い。
でも、確かにこの左目のおかげで私は有名になった。
濃いブラウンの右目に対して蒼い虹彩を持つ左目は、至近距離から少し離れた場所からでもはっきりとわかる程に目立ち、それを幼い頃から幾度となく珍しがられてきた。
オッドアイ。
なにか特別な力を持つわけでもないこの左目を、私自身そんなに誇りに思ったことも無いけれど。
それでも翡翠の色みたい、とか、海の色みたい…って、要は綺麗だっていう趣旨の事を言われれば嬉しかったりもする。
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