この撮影で私達を担当するヘアメイクさんは二人いて、今回は真鵺と雫から先にメイクをしてもらっている。
「おはようございま〜す。」
スタジオの中で慌ただしく準備を進めているスタッフさんに挨拶して、私物を預ける為に控え室に向かう。
このスタジオは過去にも何度か仕事で使ったことがあるので、どこに何があるのかはだいたい把握出来ていて、勝手が良い。
控え室のドアを開けると、そこには既に胡兎が待機していた。
「おっはよ〜!」
笑顔で挨拶する胡兎はここのところすこぶる機嫌が良くて、その理由が何なのかわかりきっている私はグループの未来への懸念がどんどん増してきて、やっぱりあの合コンの話に乗るべきじゃなかったんじゃないか、と後悔し始めていた。
