「そういやそのスペシャルドラマに主演する女優さん、の名前…え〜と、
何だっけ?」
「鳴海響香。…宮敷さんって本当にドラマとかに全然興味無いんだね。今一番の注目株だって言われてる若手女優なのに。」
「否定はできないなぁ。でも顔ぐらいはオレでも知ってるよ。」
「私の親友なの、響香は。」
「えっ?そうなんだ!?知らなかったよ。…あ〜そっか。だからゲスト出演が無くなっちゃってそんな淋しそうな顔してたんだね。」
「淋しそうな顔って…そんなに?」
「あ〜でもなんていうかオレはさ!朱理のグループの子達が来てくれる事の方が楽しみだなって…おっ、いけね!もうそろそろ行かなきゃな。ごめん朱理、オレちょっと急いでるんだったわ。じゃ、またな!」
私の返事を待つ事もなく、宮敷さんは私の帰り道とは反対方向に走っていってしまった。
