「えっ…なんで!?」




寝耳に水だった。




「なんでもロケ地が大雪で避難区域に指定されちゃって、脚本やら何やら色々変更になって放送日も先送りになるらしい。だから今、局のドラマの制作部はてんやわんやで大変みたいだよ。」




「避難区域!?やだ、どうしよう。響香、大丈夫かな…。」




避難区域っていう不穏な言葉に驚いて、突然不安に襲われる私に宮敷さんは慌てて私を優しく嗜める。




「あ、イヤ…大丈夫だよ!確かドラマのロケ班はもう現地からは撤退してるって言ってたし。それに元々そんなに危険な所まで行って撮影するような内容のものじゃないんじゃないかな。」





「そっか。…なら安心した。でもゲストには来れないんだね。」





胸を撫で下ろしても、今度はがっかりな気持ちの方が膨らんできてコロコロ変わる自分の心境に振り回される私。