地味子には秘密があるらしい!

 もしかしたら屋上にと期待してみたが、やはり施錠済み。

大人しく諦め、階段に腰をかける。

そして階段の前に突っ立ったったままの少年に手招き。

 「隣、座りなよ。あと財布取り返せなくてごめんね。あとで先生に言って取り返して貰おっか」

 「え、あ、ありがとうございます……」

そう促せば、少年はちょこんと隣に座り込んだ。


 よく見れば綺麗な少年だ。身長は多分180近く。

しかしその割には華奢だし、肩幅だって狭い。

なんだか、彼がターゲットになってしまうのもわかる気がする。

などと相手を観察しながら、話を切り出す。

 「名前は?私は小柳 遊香(こやなぎ ゆうか)

 「えっ、あ、梅原 恭弥(うめはら きょうや)……です」

とても小声で聞き取りづらいが、なんとか読み込むことに成功。

うめはら……きょうやっつった?合ってるよね多分。