地味子には秘密があるらしい!

 と結論をつけていれば、壱夜が落ち込んだような声で謝り出す。

 「本当にすまん……面白くなかったよな……」

 「え、いや謝んなくていいですよ?私もレビュー見とけばよかった話です」

 「はあ……吊り橋効果を狙ったのに……」

……おい待て今こいつ下心全開だったぞ?

しょぼんの合間に本心ダダ漏れ過ぎだろ、と感じていれば。

無言で壱夜が鞄を漁り、一冊の雑誌を取り出した。

なにかと手元を覗いてみれば、なんとも言えぬ微妙な気持ちになる。

『恋愛初心者向け。意中の相手を射止める50のポイント』

なんだその胡散臭そうな本。

かの冷え冷え岡島が持つにしては異質すぎる。ほんとなにそれ。

 「岡島先輩……なんですかそれ?」

 「ああ。このページに吊り橋効果を狙おう、と書いてあるから実践してみたんだが……」

彼の指す項目を見てみれば、本当にそう書いてあった。

ご丁寧にホラー映画がオススメ、とまで書いてある。

その隣のページには『放課後は高感度上がる率UP!』ともある。

前の放課後勉強会は、ここからの入れ知恵だったのか。

 「岡島先輩、読むのは良いですが本人の前で出すのはちょっと……」

 「……確かにそうだな。今後は上手く隠すとしよう」

いや持ってくんなよ、と苦笑いを浮かべてみせる。

そんなこんなで映画鑑賞はお開きとなった。